セクション 2 · 長い火の上
本日一皿。上段の黒板にチョークで。
いつも、印刷メニューには載らない arros del dia(本日のご飯)がある。朝次第で決まる—奥の屋台のうさぎ、Vinatea 通りの精肉屋の鶏、青果商の garrofó。厨房が今日いちばん誇りにしている皿で、二十二時前には売り切れる。
ネットには出しません。入ったとき壁のチョークを読むか、聞いてください。今この瞬間、黒板に書いてあるのは右のカードです。
セクション 3 · 火の話
十七分の強火。火から下ろして五分。
火は オレンジ材 — Alzira 外れの伐採所からトレーラーで運ばせ、奥の長いベンチの下に積み、火・金曜の午後に割る。十二時四十に点火、十三時にランチの最初の一鍋、二十三時半の最後のエスプレッソまで、熾き火はまだ温かい。
パエリアは米を、こう迎え入れる:十七分の強火 — 米が鳴り、スープが煮詰まり、socarrat(鍋底のカリカリ)が育つ— 続いて 五分の余熱、濡れ布巾を被せ、米は自分の蒸気で仕上がる。スープを注いだらもう混ぜない。蓋も開けない。目安は音だけ。
「米を混ぜるなら、その時点で米はもう負けている。離れて、薪に仕事をさせなさい」— マルタ、朝十時の二杯目のエスプレッソの前で
— Marta Vidal(マルタ・ビダル)· 同じ二つの鍋の前で十九年
17分
火の上 — 米が鳴り、socarrat が育つ
5分
火を離れて — 蓋をして、米が蒸気で仕上がる
46席
テーブル四十、カウンター六、それ以上は入れない
セクション 3 · 火曜日の厨房
十二時四十から二十三時半まで — 長い火は、本当は消えない。
厨房は街の時計ではなく、市場の時計で動く。十三時に黒板に書いてあるのは、七時半に屋台が持っていたもの。二十二時に残っているのは、火が奪わなかった分だけ。カウンターはパン屋より先に起きる。最後のエスプレッソは、観光客が諦めたあとに出される。
06:00
Tiradores 通りのパン屋がオーブンをつける。 ボカディージョ用のパンと、各テーブルに置くパンが七時に焼き上がる。帰りに拾う。
07:30
マルタが市場の入口をくぐる。 左通路で garrofó、ホールの奥で魚、Vinatea 通りでうさぎ。リストなし。もう何年も同じことをしている。
10:00
カウンターが開く。 椅子六脚、ボカディージョ三種、café amb gel をスレートに。一人目の常連は十時四分、九年間通い続けている。
12:40
オレンジ薪に最初の一本。 紙、小枝、丸太二本。煙突に火が通るのは十二時四十六分、十二時四十八分には厨房が Alzira の匂いになる。
13:00
最初のパエリアを長い火へ。 黒板に書いてあるやつ。十七分の強火を経て、米は材料の束でなくなり、皿になる。
15:30
最後の menu del día が出る。 十五時半を過ぎたら三皿ランチは終わり — 厨房はラシオンへ、カウンターはボカディージョに戻る。
16:00
閉店。シエスタ。 シェフは隣のバーでベルモットを一杯。火は消さず、覆うだけ — 三時間後にまた焚く。
20:00
薪を足し、ディナーの鍋を火にかける。 メニューは短くなる — 本日のご飯、皿二つ、車海老の頭が良ければフィデウアも。
22:00
本日のご飯が売り切れる。 早くなることはあっても遅くなることはない。二十二時にここに来たなら、その日厨房が誇りにしていたものを食べられる。
23:30
最後の café。熾き火を覆う。 マルタがパスを掃き、勘定を合わせ、市場裏の路地を抜けて帰宅する。薪は朝まで余熱を保つ。
日曜
市場は眠る — 当店も眠る。 薪は冷める。厨房は静か。黒板は月曜のために消してある。
セクション 4 · 市場の話
市場の在庫だけを、市場の在庫だけ買う。
Mercat Central は 07:30 に開き、15:00 に閉じる、月曜から土曜まで。日曜は休み—だから当店も日曜はお休みです。火曜のなすを金曜まで保管する商売はしていません。
マルタが週に三回、仕入れに出ます。左通路の garrofó を置く青果商、Vinatea 通りで丸ごとのうさぎを残す精肉屋、ホール奥の魚屋で fideuà のスープ用に車海老の頭を予約しておいてくれる人。黒板の arros del dia は、その朝の彼らのケースの上にあったものへの返事です。
- 月 · 木青果の巡回 — garrofó、ferraura、ñora、トマト。夏はなす。
- 火 · 金Vinatea の精肉屋 — 丸ごとのうさぎ、放牧鶏、スープ用の骨。
- 水 · 土ホール奥の魚屋 — 車海老の頭、コウイカ、漁次第。
- 日曜休市場が眠る — 当店も眠る。薪は冷め、厨房は静か。
セクション 5 · 二度目の朝食
エスモルサレットEsmorzaret · ヴァレンシアの流儀 — 小さなパン、ビール、日向の椅子
十時から十二時のあいだ、近所の常連が esmorzaret(二度目の朝食)に入ります — カウンターに立って、片手に ボカディージョ、もう片手に小さなビール(または café amb gel、氷入りエスプレッソ)。食事ではなく、休み、言い訳、ゆっくり起きる街への「おはよう」です。
カウンターで三種類のボカディージョ—ハモン、トルティージャ、チーズにマルメロのペースト—を、Tiradores 通りのパン屋で朝六時に焼いたパンで。カウンターは早い者勝ち、椅子六脚、予約なし、飲み物付きで €6.50。
10:00–12:00 · カウンターのみ · 歩きでどうぞ
セクション 6 · 店舗への道
Carrer de la Creu, 4 — Mercat Central の裏手。
営業時間
- 月曜定休日
- 火曜13:00–16:00 · 20:00–23:30
- 水曜定休日
- 木曜13:00–16:00 · 20:00–23:30
- 金曜13:00–16:00 · 20:00–23:30
- 土曜13:00–16:00 · 20:00–23:30
- 日曜定休日
エスモルサレット(カウンターのみ)は 10:00~12:00、火・木・金・土曜。
住所
Carrer de la Creu, 4
Ciutat Vella, 46003 València
Mercat Central の裏、Plaça de la Ciutat de Bruges 角—緑の庇の下、看板なし、オレンジ材の匂いだけ。
Col·legi del Patriarca から徒歩六分、Lonja de la Seda から二分。
扉への行き方
Mercat Central がブロック全体を埋めています。魚屋の奥を走る路地の 裏側 に出てください。
- 01Mercat Central から、Plaça de la Ciutat de Bruges 側の横出口を出る。
- 02Carrer de la Creu を左へ — バルコニーのある黄色い路地。
- 034 番は三つ目の街灯 — 緑の庇、12:40 から扉が半開き。
- 04入る。壁のチョークを読む。テーブルかカウンターの椅子を選ぶ。